楽しいクリスマスの夜、突然超獣が出現！
子供たちが危機に陥る。そしてエースまでが…
彼らを救うのはサンタクロースか、ウルトラの父か、それとも夕子か？
さぁ、来週もみんなで観よう！
第10話「復活！ウルトラの父」
予告編から既に、夕子の姿が…
当時の視聴者の皆さんは父＋夕子のゲスト登場という状況に、どんな思いをはせたのか…
その時代の子供達が、うらやましくなるような一作です。
オープニングに踊る「星光子」の文字…えっ、ゲスト扱い？元・主役なのに？
ダンや香代子さんさえ「役名＋俳優名」なのに…それがこの場面を見るたび思う感想です。
この時代らしい、パンダも画面におどるクリスマス。30年経っても、クリスマスに心躍らせるのは変わらないのですね。
そんな街中をショッピングする梅津姉弟＋星司。香代子さんの白いベレー帽に赤いシャツがなかなかかわいいです。
「買って〜よ〜！」×３、母親にアピールする子に近寄る星司は、「泣くんじゃないぞ」といいつつ
いきなり「これをあげよう」と、エースのソフビをその子にプレゼント。太っ腹だけど、まさか自己アピール!?
どうやら3人は、施設の子供達にクリスマスプレゼントをあげようと、買い物をしているらしい。
香代子がたくさんの買い物を、そしてそれを持たされる星司の姿は、デジャ・ヴ。
そして夕暮れ。輝く夕陽の下、そぼ降り始める雪。画面的に、ちょっと晴れ渡りすぎてるかなぁ…（^^;）
と思ったらそれはなんと施設の子供達のいたずら！なかなかニクい奴らです。
「こういうところの子供達って、本当はとっても明るいのよ」という香代子の言葉は、ちょっと深いかも。
そこに現われる雪だるま、と思ったらそれは発泡スチロールで、施設のゆかり先生の話のよれば
知らない人が置いていってくれたのだと言う…これがこの話の伏線。
いよいよクリスマスの夜。はしゃぐ子供達。
その前に現われた「すてきなサンタさん」、TAC征服を着用した星司に沸く子供達。
「そしてこちらは、梅津ダンくん」…しぃぃぃん…さすがにこの子達も「こいつ何者？」という感じで見ている。
なんとなく気まずい、アウェーの空気に、ゆかり先生が「ダン君は、"ウルトラ6番目の弟"なのよね」というナイスフォロー。
その言葉に沸き返る子供達、それを見て満足そうなダン。ま、「6番目」ってのはあくまでも（ほぼ）自称なのですが（^^;）
星司からの、本当にたくさんの山と詰まれたクリスマスプレゼントが配られる。子供達は大喜び。
香代子に感謝の意を伝えるゆかり先生。香代子さんは、本当によい隣人を持ったものです（^^）
そこからは子供達の劇が始まる。すごくてづくりっぽい雰囲気。
かっぱえびせん（らしきお菓子）をほおばる女の子のアップ。そうそう、こういう感じでしたよね、子供の頃って。
と、そこに登場してくるコスプレウルトラマンエース（結構精巧）。
「姫！だまされるな！そいつは悪い宇宙人だ！」「なにおぉ!?」と、ここから劇を越える？どつき合いがスタート。
結果はなんとエースの負け…苦笑する星司。
でもこのあたり、口をいっぱいにあけて何かをほおばる子供達のアップが続き、ちょっとみぐるしい…かも？
そしてここが伝説のシーン！
星司を交えて、施設の子供達が方を組み合い、「ウルトラマンエースのうた」を大合唱！
勿論バッチリ言ってます、「今だ！変身！北斗と南〜♪」星司さん、さぁもう地球にはいられませんよ、帰った帰った（苦笑）
ゆかり先生と子供達の会話よりも、歌の展開が気になってしょうがありません。
星司の「よぉしうまいぞ〜、今度はな〜、2番知ってるか〜」という能天気なセリフが小さな声で続いている中、
作品はちゃんと続いていました…それも、極シリアスな方向に。
夜の6時30分なのにまだ外が明るい。
不安になったゆかり先生が窓の外をのぞきに行くと…あの雪だるまの両目が光った！
飛び出した怪物の放つ稲妻のような閃光に、ゆかりの目から血が…彼女の目は見えなくなってしまう！
と、窓をのぞいたダンは、空を飛んでいるヘンな物体を見る。事件の匂いに、ダンのウルトラの血が騒ぐ。
施設の外に出てみると、なんと屋根の上から「メリークリスマ〜ス。」げ、サンタだ!!!
サンタはきちんと煙突から中に入る。そこに詰まっちゃう図を予想してしまった自分はBOSSの飲み過ぎかあゆを聴き過ぎ。
不安渦巻く施設の闇の中を、サンタの笑顔が変えて行く。はしゃぐ子供達。
つとめて冷静に「あなたは一体何者ですか？」と問う星司。「サンタだ」と答えるサンタ。
その答えが、星司をちとイラつかせたようだったが、それをゆかり先生が制する。「その人は悪い人ではない」と。
しかしウルトラの血に祈りを込めるダンもまた、サンタに疑いをかける。確かにタイミングはバッチリなのだが…
そこにTACから通信が。ゆかり先生と同じように、怪光線に当たった人は●●●になってしまうという。
（バンダイビジュアル版のビデオはここで音声が途切れていますが、これは勿論、「めくら」、です）
雪超獣スノーギラン登場。TAC出動、星司も出動！と、そこに、
「北斗！…くん。」と彼を呼び止めるサンタクロース。あぶないあぶない。
サンタは星司を激励する。それに引き締まった笑顔で応える星司。
外に飛び出していく星司だが、怪光線は危険極まりない。街を破壊しゆくスノーギラン！
（アイキャッチ）
「ワンダバTAC」が勇壮に響く中、編隊飛行のTAC。竜隊長の号令の下で隊員たちがサングラスを着用する。
と、突然何の前触れもなく、現われるナマハゲ現われるナマハゲのような奴。あ、ナマハゲだ！まんま！
ナマハゲの目的は、要するに「日本の神々を大事にせずに、異国の神を大事にしようとしている」日本人への恨み。
なんか出る番組間違っているような…「レインボーマン」があと15分ぐらいで始まるから（放送当時）、それに出りゃいいのに（爆）
妙に気合の入っているナマハゲ。激化するスノーギランの攻撃に、TACもなすすべなく脱出の連続。
しかしここには、我らの星司が！脱出した星司、1人で「ウルトラ〜、ターッチッ！」やっぱユニゾンでないと、この叫びはさみしい。
とにもかくにもエース登場！しかしナマハゲのうらみはすさまじく、エースは防戦一方！
いつのまにか降りしきる雪と、冷凍ガスに大苦戦…苦し紛れにメタリウムをいきなり放ってみるが、
ほとんど倍返しの反撃を食らってしまう。
もともとが寒さに弱いM78星雲光の国の住人。スノーギランの次から次への攻撃に、へたり込んで倒れてしまう…
ここまでやられるのは（しかも、いつもの変身直後の勇壮なテーマが全く流れない）、18話のブラックピジョン戦以来か？
（ヒッポリトの時は罠に掛かったのであり、ここまでたたきつぶされていなかった）
スノーギランの街中の大破壊は続く…そして次から次へと人々は目が見えなくなってしまう…
次から次へと閃光が光る中、TACは（彼らはまだ目が大丈夫のようだ）人々を避難させる。
そして例の施設にたどりつくと、山中にはもうすっかり顔なじみのダンが。
「何故みんなを避難させないのか！」という山中（すっかり、ダンを認めている発言ですね）。
しかし彼らは逃げないのではなくて動けなかったのだ…ゆかり先生のことを思うと。
「ここで先生と一緒に死ぬんだ！」と口々に言う子供達。気持ちはわかるのだが…山中も袋小路になってしまったようだ。
そこに、ついにスノーギランが姿を見せる！意を決した山中は、自分達がオトリになることを決意。
吉村も珍しく強い意志を示している。戦場に赴こうとするTAC隊員4人衆！が、そこに…
「待ちなさい！」それまで沈黙を守っていたサンタさんだ。
「私に任せなさい！」と、今野・美川の静止を振り切る。この時の美川隊員の止め方が、母性、という感じでよいです。
ダンが聞く。「おじさんは一体いい人なのかい？悪い人なのかい？」
それに答えるサンタ。「君はどう思う？」ダンは、自分の思いを、目で告げる。それは、"あなたを信じています"という目だ。
その澄んだ瞳を見つめ、静かにうなずくサンタは、今戦場に向かう！その姿を見んと、ダンは一人外に…
雷鳴と共に、スノーギランの前に現われたるは、あのサンタクロース！なんと巨大になっている！
ふと振り向くと、そこには、2本の角が…えっ、まさか、そうなの!?
「ウルトラの父だ！確かにウルトラの父はいたんだ！」ウルトラの血のもとに確信するダン。
「ウルトラの父は…死んだんだ」と現実を突きつける今野。
「かわいそうに…エースがやられたショックで幻を見たのね」とひどいことを言う美川。
彼らは吉村と共に、ダンを安全な場所に連れて行くが…
一人、山中は、「あっ、（サンタが）あんなに大きく！」と、彼の戦いを見つめる。
「ヤプールの仕業」をなかなか現実として受け止めきれなかった彼が言うからこそ、なんとなくファンタジック。
そのサンタの勇姿にとまどうナマハゲ。
サンタは「くじけるな！」とエースを激励する！エネルギーを、エースに与えた！
やっと流れる、エースのいつもの戦いのテーマ！パワフルなエースの戦いが始まった！
その姿を頼もしく見つめるサンタの姿…ここにもう一人、その姿にウルトラの父の幻影を見たのが、ほかならぬ竜隊長だった。
刑事か医者かには「頭を打ちましたか？」などと言われてしまうが、隊長は譲らない…
確信に満ちた目で、隊長はその勇姿を見つめる…
「…ウルトラの父だ！」
あいかわらずやかましいナマハゲ。しかしサンタは振り向きざま、ファザーショット一閃！
なんと人間大の怪人に、光線を浴びせて倒した！その怒りも見えようものです。奈落に落ちてゆくナマハゲ。
そしてエースは、今度こそメタリウム光線でスノーギランを倒した。
「ありがとう…お父さん。」エースの言葉に、力強くうなずくサンタ＝父。
何事もなかったように施設に戻り、「プレゼントを忘れるところだった」と準備を始めるサンタ。
不思議そうにそれを見やるTAC隊員達。
しかし…往年の仮面ライダーシリーズなら、ここで諸悪の元凶の怪人を倒したので
目も見えることになることが多いのだろうけど、「エース」は違った。
そう、ゆかり先生の目が見えないままなのだ。
これもサンタさんが何とかしてくれる、かと思いきやできないらしい。
「なにしろワシは魂だけ…！」あ、言っちゃった、的な表情を見せるサンタ。不思議そうにそれを見る山中、そして驚くダン。
「街中に●●●になった人が溢れています…どうしたらいいんでしょう？」山中はサンタの不思議な力に期待するが、
サンタにもどうしようも…あ、いや、そうだ！方法が一つだけあった！
ゆかり先生や街中の皆さんの目を治すことができ、なおかつTAC隊員へのプレゼントにもなる、その方法とは…！
暖炉の前で姿を消すサンタ。
それを見て、外に出るみんな。
屋根の上のサンタは、夜空に手をかざす。
澄み渡る星空に、次第にベルの音が響き始める。
子供達が、空から滑り降りてくるソリを見つける。
そのソリの姿は、次第に大きくなってゆく。
サンタが指差す、その先には…
「…夕子！」
「あれは南隊員じゃないか！」と驚く今野。思わぬ再会に、笑顔を見せるTAC隊員達。
子供達も「南隊員だ！」「南隊員だ！」と指差す。TAC隊員ってかなり有名な存在なんだろう、な。
ちょっと範囲広めだけど、直接関わってないけど、これが夕子とダンのファースト・コンタクトにあたる。というか、唯一無二。
"さあ、お願いします"とばかりのしぐさを見せたサンタに、すっと立ち上がった夕子は
かつて星司と手に手をとっていた右手から、七色に輝く、人々を癒すような明るい光線を放った。
そのまぶしさに手をかざす子供達、そして…ゆかり先生の目が、見えるようになったのだ！
その姿を見て、とびきりの笑顔を見せる夕子。いや、本当、マジで、美しすぎるんですけど…
これが3ヶ月前まで、隊員服を着て泥だらけで走り回っていた（だからこそ、魅力的なのですが）南夕子隊員と同じ方なのですよね…
勿論、どっちの夕子も魅力あるのですが…清楚で美しいその姿には、目を見張るばかり…あ、本編に戻ろう。
街中の人たちも、目が見えるようになるや、サンタの姿を見て大はしゃぎ。
そしてここで、ようやくサンタの服を脱いで、その姿を見せてくれた、ウルトラの父。
父と夕子は、人々の笑顔を取り戻して、ソリで夜空に帰っていった。
「きよしこの夜」を合唱する子供達、そしてTAC隊員。
その姿に、遠い夜空、ミルキーウェイから手を振り続ける父と夕子。
いつものように、斜に構えた腕組みで歌う今野。
そして、父と夕子のいる夜空を見つめる竜隊長と星司。
星司には勿論夕子との絆があり、そして隊長にも、ウルトラの父との因縁があります（27話）。
それを思い起こさせてくれる、このなにげないシーン…よいですね。
星司と竜隊長が微笑を浮かべる中、ソリは夜空の彼方に消えていきました…
なんか観返してみると、この話って当時の「エース」視聴者には
本当に最高のクリスマスプレゼントだったのではないでしょうか…
それほど、見所が多い話でしたし…
そしてこの回以降、ウルトラの父は「タロウ」「レオ」「80」と
クリスマスもしくは年末の放送話に、姿を見せ続けていくのです。
もっとも、「レオ」は話の毛色が違いすぎるのですが（^^;）
次回第11話「セブンの命！エースの命！」につづく。